食の安心安全への取り組み トレーサビリティ
トレーサビリティ(英:traceability)とは、物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態を意味しています。
※トレーサビリティが始まった経緯
平成14年ごろ大分県内において、中国産椎茸を大分産と偽って販売するという事件が続発し、お客様の信頼を大きく損ないました。このため、大分県の指導により、生産者をはじめ関係業者が自ら産地表示の適正さを確保するため、原料や製品を識別し、正確に記録することにより履歴を証明する制度として、大分乾しいたけトレーサビリティシステムを導入し、管理団体として、大分乾しいたけトレーサビリティ協議会を平成17年9月に設立しました。現在、5つの産地市場と39の商社(袋詰め業者)が会員登録しています。大分県椎茸商業協同組合は、加盟8社中7社が会員登録をしています。それでは大分県で収穫された椎茸が、どのようにお客様の食卓に届けられているかを実際の流通状況を例にして説明します。
1.生産者佐藤さんの椎茸を追跡
椎茸の生産には天候や湿度が大きく影響を及ぼすため、頻繁に管理し草や木を切ったり環境をコントロールすることが重要なようです。今回は大分県国東市の佐藤さんが育てた椎茸の追跡をしてみます。
2.原木栽培
自然で育ったクヌギの木を約1メートルの長さに切って、その木に種駒(たねこま)と呼ばれる椎茸の種を埋め込んで栽培を始めます。この方法は原木栽培と呼ばれ大分乾しいたけトレーサビリティ協議会の認定商品は、すべてこの方法で栽培されています。
3.約2年かけて育てます
椎茸は最初に収穫できるのは、種駒を埋め込んでから約2年後です。それまで生産者の厳しい環境管理が行われます。
4.収穫
大きく育った椎茸は手作業で丁寧に収穫されます。
5.椎茸を乾燥させる
このような乾燥機で乾しいたけになります。椎茸は一定時間適温で乾燥させると色や形がきれいなままの乾しいたけになります。天日干しなどもありますが、品質管理が難しいため現在は温風乾燥機で乾燥させるのが一般的です。